6月19日
新宿のインターネットカフェを体験。
受付のカウンターで、借りるスペースを選ぶ。
明るい雰囲気を想像していたので、全体が暗く映画館のようになっていることに、とても驚いた。また、たくさんのブース(小さく仕切られた部屋)があり、各ブースに分かれていたことも予想外だった。図書館のような左右についたてのある程度のものかと思っていたからだ。
各ブースは通路を挟んで何列にも並んだスペースを長屋のようについたてで仕切って区割りにしている。
ブースは、ソファタイプと横になれるお座敷(?)タイプがあった。また、そのほかに入り口付近にブースにはなっていないゲームセンターのように腰掛けててパソコンを使うだけの席もあった。
私は、横になれるタイプのブースを選んだ。
ブースには、机のような棚にパソコンとテレビが置かれていて、そこからテーブルが引き出せるようになっていた。座り机のような感じで床には厚さ8センチほどのマットが引かれ、敷き布団代わりになっている。ブースの中の照明は机のところのスタンドをつけ、そのほかテレビやパソコンをつけるとブースはだいぶ明るくなった。音はすべてヘッドホンで聴くようになっていて、図書館のように静かに使うようになっていた。
また、テレビゲームもでき、そのソフトは貸し出してもらえるということだった。
ブースはついたてで仕切られているだけで屋根のように上を被うものはなかった。ブースを仕切るついたては1.5Mくらいで立ち上がると他のブースがのぞけそうだった。スペースは1.5畳くらいかと思う。
ブランケットや枕などは自由に借りてこられるようになっている。飲み物の自動販売機はすべて無料で、清涼飲料水、コーヒーなど種類も豊富だった。またスナックなども置いてあった(これは買うようだった)。
また、シャワーも利用でき、カウンターへ申し出るとシャンプーとボディーソープが貸してもらえ、ドライヤーも備え付けられていた。シャワーも体験した。
60分380円の利用料だった。
感想として、思ったより、きれいなところだったし、個室もきれいに整備されていて、横になるにも窮屈のない状態だった。また全体に静かだったし、暗くて、寝ることもできそうだった。かなり便利だし、清潔でいることもできるので、生活に困らないように思った。
ただ、自分のいる狭い空間のとなりに、息を潜めて同じように他人がいる、そして、パソコン画面に向き合っている、横になっているということがとても奇異な感じがした。
1日のある時間、そこで休憩するとか、パソコン通信とかでその空間を利用するのは、まだ利用できるような気がした。
それは、たとえは少年院とか刑務所とかを見学に行くときに、見学した人が、思ったより住み良さそうだということをいうことがあるのだが、それは四六時中プライバシーのない、共同生活であることの辛さが分からないから、その場の利用空間や居住道具がそこそこあることを捉えて、悪くないというのだと同じようなもので、一時その空間で過ごすことと、それが続くことはかなりその質が違うのではないかと思う。
今、ネット難民などといわれ、そこを生活の空間にしている若者がいるといわれている。
たとえば、旅行にでた時を考えてみるといいかも知れない。
生活の本拠が住所にあり、一泊とか数泊の旅行でホテルに泊まる。居心地は悪くない、むしろ快適だったりもするが、生活の根はというか、魂というか、それは住所地の、むしろ片づけの行き届かない自宅にある。同じ寝食をするにも自ずから落ち着きが違う、安定感が違う。重心を自宅と呼べるものに置いて、一時終電に乗り遅れたりしたときに一泊するのと、生活すべてをその空間に持ってくるのでは、そこで過ごす時間・空間の持つ色合いが違うのではないか。そこにしか生活の拠点がないということは、カタツムリのように家(物理的な家ではなく生活のすべてという意味)を体にまとって動いているような感じがする。
もし、ここで長い間暮らすとしたら、精神的に落ち着かない不安定な状態に精神をおくことになるのではないかと、心配になる。
そう考えると、何の遮蔽もなく生活を晒しているホームレスの方などは、いったいどんな精神状態になるのか、と不安になる。
食べられない、寝られないというのとは違い、その安定感が精神に及ぼす影響のことだから、目に見えた変化は捜しにくいと思うが、たとえば、地方で地面とふれあってどっしりと生活するのとでは大きな差があるのではないだろうか。
この生活様式が人に及ぼす影響について調べてみたいと思った。
※ 料金等の記載を一部訂正しました。

コメント (4)
私も何度かネットカフェに行ったことがあります。ちょっとした調べものや、なんだか家にいるのが落ち着かないときに利用していましたが、隣のブースの人の気配を感じると、やっぱり妙な感じがしました。
確かに、安定感の得られない生活は、人の心を不安定にさせるのではないかと思います。
ある春うららかな日に、猫が昼寝をしているのを見て、同じくそれを見ていたホームレスの方と目が合い、思わず二人でにっこり微笑み合ってしまいました。
あの方は今頃どうしていらっしゃるかと思いました。
投稿者: 高橋幸子 | 2007年06月21日 21:59
日時: 2007年06月21日 21:59
高橋さんのコメントを受けて
【ちょっといい時間・空間】
6月16日
多摩センターからの帰りの京王線の電車の中でのこと
立っている私の前に座っている青年。テニス帰りか、日に照らされた真っ赤な顔をしていた。新宿で降りるのか、すこし前からポケットや膝の上あたりをさぐり始め、足下に置いた紙袋をのぞき込んだり。
切符を見失った様子。「切符ですか?」と声を掛けると「はい」と。
その方の足下あたりは立っている私の方が見やすいのですこし下がって身をかがめて捜したが見あたらない。「下には落ちてないですよ」。やがて、紙袋のそこのあたりから彼は発見。「ありがとうございました」と。隣にいた青年もお友だちらしく、一緒に「ありがとうございました」と。
そして、終点新宿で降りるときも「ありがとうございました」「いいえ、どういたしまして」
何でもない電車の中での出来事でしたが、人と人との間でなにもないところから生まれたちょっとした気持ちのいい時間・空間でした。
こんな時間・空間をたくさん作る、っていいかもしれない。
投稿者: 杉浦ひとみ | 2007年06月22日 15:09
日時: 2007年06月22日 15:09
「関係性」さんをはじめとして幾つかのブログを経由して多分十日ほど前から拝読しています。
共感できる部分が多い一方、現実認識の甘さに距離を感じてしまうのですが、それはそれでいいのだろうと受け止めています。
とは言え、この記事はあまりに的外れ、現状を分っていないと感じるので、私見を述べさせていただきます。
>食べられない、寝られないというのとは違い、
そうではなく、食べられない、寝られないんですよ。
>それは、たとえは少年院とか刑務所とかを見学に行くときに、見学した人が、思ったより住み良さそうだということをいうことがあるのだが、それは四六時中プライバシーのない、共同生活であることの辛さが分からないから、その場の利用空間や居住道具がそこそこあることを捉えて、悪くないというのだと同じようなもので、一時その空間で過ごすことと、それが続くことはかなりその質が違うのではないかと思う。
あなたはプライバシーとか安心感を第一の問題としていると読めますが、そんなものは二の次三の次です。
(ネットカフェの長期滞在者を受刑者と同じとみなすのかという話はさておき)ネットカフェ難民にとり、ネットカフェで問題なのは、まず「居住性」と考えられます。
少年院や刑務所は一ヶ月以上の滞在を想定して造られていますが、ネットカフェのブースで、いくら若くても一般人に長期に生活出来るかということ、しかもネットカフェ難民には、そこから通勤通学している方々もいます。
床は厚さ8センチほどのマット、1.5畳くらい、テレビやパソコンが置いてあるスペースで、三日寝泊りしたらどうなるか? 確かに精神的なダメージも併せてあるでしょうが、背骨や腰がどれだけ疲れるか? ということです。
お金の問題も深刻です。
これはネットカフェ難民よりワーキングプアになりますが。
ぜひ実体験をお勧めします。方法は簡単、生活保護費9掛けの生活費で一ヶ月暮らしてみてください。ちなみに私はやりました。
そしてワーキングプアの生活費がそれより低いとその境遇にある若者から知らされ、呆然としました。
ちょっといい時間・空間に辿り着けない、交通費が足りない分は歩く、そういう人たちが政治によって量産されました。それをなんとかすることが、政治に期待されています。
投稿者: 初めまして | 2007年07月01日 02:24
日時: 2007年07月01日 02:24
ネットカフェ難民にとって、「精神的なダメージ」と「背骨や腰にかかる肉体的なダメージ」のどちらがより深刻か?なんていうのは、卵と鶏の議論と同じだと思います。
言うまでもないことですが、何故そういう生活を強いられる人々が出てきてしまったのか、何故そこから抜け出せないのかが1番問題ですよね。それは上記コメントにもあるようにワーキングプアの問題に絡んでくるんだと思います。
例えば派遣法の規制緩和がどんどん進められ今や制定当初とは180度趣旨が変わってしまった結果、過酷な労働状況にある派遣社員が増えたことに関して穿った見方をすれば、現与党である自民党が選挙での組織票を得るために企業のお偉方の要望・圧力を受け入れた結果でしょうし。
今の弱者切捨ての政治を何とかするためには、自公政治に虐げられてきた弱い人々にそのことを自覚させ、政治に関心を持ってもらうことが重要だと思います。
私の希望的観測では、そうした人々の投票率を上げることができれば、今度の選挙は野党の大勝だと思います。
社民党、こっそりひっそり応援してます。
投稿者: 匿名希望 | 2007年07月03日 12:28
日時: 2007年07月03日 12:28