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格差社会の構図~ワーキングプア・労働者の現状

昨日、7月3日 斎藤貴男さん(ジャーナリスト)鴨桃代さん(全国ユニオン初代会長)をゲストに、若者の働く現場、ワーキングプアの声を聞きながら、格差社会を考える集会を行いました。私の聞き取った概略です。
(すごく聞いていただきたかった内容で、もっと広報すればと後悔しています。)

<斎藤貴男さんのお話>
まず、久間発言から始まりました。
あの発言は、単純に捉えるべきではなく深読みしておく必要がある。あれはアドバルーンではないか。「今後日本がアメリカと一緒になって核を使うことありだよ、との予告であり、その時に、国民がどんな反応をするかを確かめたのではないか
見てみよう」というものではないか、という問題提起でした。

格差問題については、この格差の構造がどのようにして生じたか、それは意図的に固定化され、拡大されている。
今の雇用格差は、経済格差、教育格差、人間格差にまで発展する問題だとしてきされました。
 また、今の若者が、この膠着したどうにもならない泥沼に堪えられず、一層戦争でもした方が「皆一斉にガラガラ、ポン!」 となるのではないか、と希望を抱くという声に対して、格差のできた上の方はガラガラポンには巻き込まれないようになっている。戦争になって戦地に行かされるのは今閉塞状態におかれている若者たちだけだ、と現状を分析され、そこから抜け出したいなら戦争を希望するよりも、投票権を行使することのほうがよっぽど有効だということを話されました。

<若者たちは>
・22才大学生君、26才のよっくん、33才怒(いかる)君
大学生君は、バイトをいくつも体験。電話代行会社に務めたら特別誓約書なるものを書かされ、「見ても、聞いても、言わざる」を約束させられる。なにやら明らかにおかしい商法に関わらされている。
杉浦:大人の動かしている社会がいい加減だというところを見せられてしまっているって感じですか。
大学生君:見えちゃうんですよね。社会の絡繰りみたいなものが。

・26才よっくんは、住み込みの新聞配達の仕事。8時間でできる仕事といわれたが慣れないこともあり、8時間では済まない。また住み込みなので仕事があると声を掛けられると作業をする。結局24時間その店にいて仕事に関わっているようで、自分の時間がまったくとれない。正社員は同様の仕事で月21万円。よっくんは配達のみの仕事ということで14万円。そこから雑費を引かれて12万円。自分の時間がまったくとれない、四六時中その新聞配達所にいる状態でまったく展望が持てなくて。3日前にやめて失業中。その展望の無さに埋没していると、「テロでも起こしてやろうか」と思ってしまう。生活に本当に困ってくるとなにも考えられなくなってくる。
杉浦:どうしようもない状態の中で、テロを起こさず、また自分の命を絶たずにすんだのはなぜですか
よっくん:これまで関わってきた仲間がいたからかな。

・33才の怒(いかる)君
もともと、世の中に出るのが怖いと感じてずっと学校にすがってきた。学校に行っていると身分の保障があるような安定感があり、夜学、専門学校などを渡り歩いた。希望してたアパレルの仕事についたが、華やかに見える職種はいずれも労働条件が悪い。サービス残業は当たりまえ。9時始まりでも8時半に出社、帰りは午後10時11時は当たりまえ。先輩(だらだらでも)が残っていれば帰れない。デザイン的なこともオリジナリティーはない。対人関係にも疲れてやめた。月15万円。
本当に疲れ果てていたが、その後介護の仕事に出会った。この仕事は自分に合った仕事だと思っている。
杉浦:人と接することで感じることがありますか。
怒君:高齢者の介護施設での仕事は、自分が必要とされている、感謝されていると感じることでうれしいさを感じる。
月曜日に出社を考えると憂鬱になるはずだが、介護の仕事についてから、「またあの人に会えるな」と思うと、ちょうど学校へ行くのが楽しみだった学生の頃のようだ。

活路の見つからないときに人間の思考力が衰えを突拍子もないことを行ってしまう、その理由を見たような気がしました。私は子どもの事件も扱うのですが、社会で起こる子どもの重大な事件も、日々閉塞した生活の中で、そこから抜け出す知恵も能力(金銭面も含めて)もない子どもたちが、突然とんでもないことを行ってしまうことも、その延長線上ではないかと感じます。

<労働問題の相談を受けている鴨桃代さんのお話>
自分の息子と話がかみ合わない、ということから始まりました。
息子はバイトも長く、バイトさんを監督する立場に回っている。そこで母に相談することが、なんと「は他のバイトの人がどうしたら意欲的に働くだろうかということ。」既に管理する側に回っている、ということに驚いた。
また、息子も特別技能を付けたがっていたので、「そうするともっと給料が上がるの?」と聞くと、そうではなく「24時間、どの時間帯にでも仕事に入れるようになる」とのこと。自分の価値を雇い主に売り込んでいくというのはなく、都合よく使われることに慣れはじめている。
鴨さんは、そんな驚きを言われたのだと感じた。

人間のライフサイクルを考え、これまでよいと考えてきた終身雇用も年功序列も、排除され、企業側、持てる側に都合のよい雇用、使いたいとき、使いたい者を、使いたい条件で使うことが許されるようになってきている。
労働条件は、男性より女性並みに、正規より被正規並みに、と下へ下への平等が行われている。派遣などの間接雇用によって、派遣社員への悪待遇は、その不満をどこにも持っていけないようになった。
今の法制度は、現状~特に大企業のエゴによって、むき出しの資本主義がそのまま法制度になっていっている。

そして、極めつけは労働者が文句をいうと「君には夢があったのではないか、こんなことでへこたれて夢が叶うのか」と追われる。夢をキーワードに劣悪な条件を強いられる。
若者たちに言いたいのは「一歩まえに出よう。やめる、諦める、我慢するのでなく」

<杉浦の感想>
齋藤さんのお話について
本当に恐ろしい構図ができていて、虐げられた状態から逃れたくてもう戦争でもしてくれ、とのたうち回る若者のそのあがきさえも既に織り込み済み、「では、ガラガラポンをしましょう、これで今の閉塞状態から抜け出られますよ」と扉を開けた先には、虐げられた若者だけが吸い込まれていく戦場への道がある。
なんて、恐ろしい罠でしょうか。
聞いていくとあながち間違えとはいえない実証例に思い当たり、絶望的になります。
ただ、私たちは切り札を実は持っているのだということも示唆していただけました。

若者の話について
齋藤さんが話されたことで、今の若者の仕事と昔自分が転々としたアルバイトの危険さきつさは変わりない。ただ、当時は2,3か月働けば旅にいったりすることができた。労働によって費やした労働力と精神的な疲労を回復し再生産するだけの代償を得ることができた。
 職場での非人間的な扱いによって、人間はすごくもろく壊されていくことの怖さを感じました。

鴨さんのお話について
きっと「一歩まえに出る」方法を教えられていないのだろう、「まえに出る」ためにそれを支えてくれる友だちがいない、見つからないのではないだろうか。
ひとり一人が、その力をすべて奪われてしまう前に、弱い人間が寄り添って戦うという知恵を取り戻していかないと、そう感じました。

考えさせられること一杯の集会でした。

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2007年07月04日 15:56に投稿されたエントリーのページです。

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